Interview
職員インタビュー
言葉で話さない方が伝わることがある
2020年入社 なかまの里 勤務T・M
手話サークルに入ったきっかけ
大学の入学式で、たまたま後ろに座っていた人が手話サークルに入ると言っているのを聞き、その時は特に気に留めていませんでした。しかし、帰り道に偶然再会したことがきっかけで、私もその手話サークルに一緒に行くことになり、参加してみて楽しかったため、そのサークルに所属することにしました。私の母はもともと障害者支援の仕事をしていて、幼い頃からその姿を見て育ったため、私も似たような分野を目指していました。その繋がりから、手話や障害者支援に携わることができる大阪聴覚障害者福祉会は、私にとって理想の働き方だったのです。
コミュニケーションの重要性
最も印象深い出来事は、入社してすぐにある利用者の生活担当になった時です。生活担当は、一対一で利用者の日常生活をサポートする制度です。しかし、担当した方は文字を読めず、手話も理解しにくい状態でした。そのため、私は日々コミュニケーションの方法を工夫し、様々な方法で支援を続けました。そんな日々が1年程度続いた後、その利用者が僅かに動いたり、目線が合うことで互いの意図が理解できるようになりました。この経験を通して、コミュニケーションの重要性を深く感じました。実は、言葉を交わさないことで、相手をより深く理解できるのではないかと感じた瞬間でした。
これ以上ない福祉の経験ができる施設
聴覚障害を持つ方にとって、施設は非常に重要な居場所であると思います。特に家族や両親がいない人にとって、この場所は唯一自由に会話ができるコミュニティとなります。病気で近隣の病院に長期入院する必要がある場合でも、「早くここに帰りたい」という声を頻繁に耳にします。そのような言葉を聞くたび、手話を通じてだけでなく、真心を込めた仲間思いの支援を提供したいと強く感じます。手話と介護で大変な面もあるかもしれませんが、働く上でこれ以上ない福祉の経験ができる施設だと思います。